「しゅうちぼう」(挿絵:さばにしきさん)

※時々CGと文字が重なる場合がありますので、その時は1回再読み込みしますと直ります。
【おしゅうちさま 第18話】より抜粋。
幼き「おしゅうちさま」が電車に乗って「おしゅうちさま」のところに遊びに来たのであった。

江戸時代よりこの駅の周辺に住んでいる「おしゅう ちさま」ですが、他の駅にも「おしゅうちさま」と 同じ妖怪がいるのだろうか.. 今日も1人でいろいろな羞恥なことを楽しんでいる 「おしゅうちさま」に同族の、それも幼き「おしゅ うちさま」が遊びにきたのであった。 朝の満員電車に最近導入された女性専用車両。 その中で女子高生たちが「おしゅうちさま」の事に ついて話していた。 「次は例の駅だから1駅先で降りようよ」 「そうね..狙われるよりはましだしね」 「駅に近づかなければ何も出来ないみたいだし」 どうやら「おしゅうちさま」のテリトリを大体把握 し始めていた彼女たち。 そのテリトリを外して「おしゅうちさま」に上手く 関わらない子も少なくはなかったのだ。 そんな話をしてる中、網棚にくりくり目玉の様な物 がきょろきょろしているのを見つける。 「えっ?あれ..何かしら?目玉のような..」 「きゃっ..口みたいのを開いたわ..でも何か可愛い」 姿は隠しているが目と可愛く開いた笑い口は見えて おり、その姿がかなり女子高生たちの心を奪う可愛 さであった。 そう、彼こそは後の「おしゅうちさま」となる幼き 「おしゅうちさま」、通称「しゅうちぼう(羞恥坊) 」である。 「しゅうちぼう」は自分が住み着く場所(駅)を探 しながら電車で日本全国を周ってる妖怪であった。 そんな「しゅうちぼう」が微笑むと突然、持ってる つり革が流しの紐の様に下にさがってしまう。 そして天井からバケツをこぼした様な水が次々と 女子高生たちを直撃したのだ。 バシャァァーーン。「何で水がぁぁぁ」 バシャァァー「いやぁぁぁ〜びしょびしょ〜」 そう、幼き彼の技は道具を羞恥風に改造することで あり、「おしゅうちさま」の様な力を使えない代わ りのものであろう。 びしぃびしょにされた女子高生が危機を感じて次の 「おしゅうちさま」の駅で次々と逃げるように降り ていく。 そんな姿に「おしゅうちさま」も驚き行って見ると 懐かしい声と共に「しゅうちぼう」が飛び込んで きたのであった。 遊びにきたよぉと言う事からすると身内に近い存在 なのかも知れない。 どちらにしても、しばらく羞恥被害が倍増するのは 確かなことであろう。